白内障手術で後悔する理由とは?見え方の誤算とレンズ選びの注意点
白内障手術で後悔する理由とは?見え方の誤算とレンズ選びの注意点

この記事はLLMO primeのサンプル記事です。クリニック名、監修者、料金などはすべて架空のもので、実在の医療機関とは関係ありません。
白内障手術を考えている方の中には、「手術を受けて後悔した」という話を耳にして、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。白内障手術は眼科で広く行われている手術ですが、術後の見え方に対する期待と実際の見え方がずれると、満足できない結果につながることがあります。
結論からお伝えすると、白内障手術の後悔の多くは、眼内レンズの特徴や術後の見え方を十分に理解しないまま手術を受けたことから生まれます。眼内レンズは本来の水晶体と違い、すべての距離にピントを合わせることはできません。どの距離を見やすくしたいのか、どのレンズが自分の生活に合うのかを手術前に整理しておくことが、後悔を防ぐいちばんの近道です。
この記事では、白内障手術で後悔が生まれやすい場面と、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの違い、費用の仕組み、手術の時期や術後の経過について、みずなぎ眼科クリニックの院長が解説します。
この記事でわかること
- 白内障手術の後悔の多くは、術後の見え方に対する想定違いから生まれる
- 眼内レンズは水晶体と違い、すべての距離にピントを合わせることはできない
- 単焦点レンズは保険診療、多焦点レンズは選定療養で、費用の負担が異なる
- 多焦点レンズは眼鏡を使う場面が減る一方、ハローやグレアが出ることがある
- 術後しばらくして見えにくくなる後発白内障は、白内障の再発とは別のもの
この記事の監修者
みずなぎ眼科クリニック 院長
早瀬 透(はやせ とおる)
- 日本専門医機構認定 眼科専門医
医学部を卒業後、大学病院や総合病院の眼科で白内障手術を中心とした診療に従事しました。2020年にみずなぎ眼科クリニックを開院し、生活スタイルに合わせた眼内レンズ選びの相談に力を入れています。
目次
白内障手術で後悔が生まれやすい5つの場面

白内障手術を受けた方が「思っていたのと違った」と感じる場面には、いくつかの共通点があります。代表的なものを5つ整理しておきましょう。
1つ目は、ピントの合う距離が想像と違ったという場面です。単焦点レンズはピントの合う距離が1か所に決まるため、遠くに合わせると手元が、手元に合わせると遠くが見えにくくなります。手術前の生活でどの距離をよく見ていたのかを伝えきれていないと、術後の見え方に不満が残りやすいでしょう。
2つ目は、多焦点レンズの見え方になじめなかったという場面です。多焦点レンズは眼鏡を使う場面を減らせる一方で、夜間に光の周りに輪が見えたり、光がにじんだりすることがあります。
3つ目は、手術後も眼鏡が必要だったという場面です。単焦点レンズでは、ピントを合わせた距離以外を見るときに眼鏡が必要になります。多焦点レンズでも、すべての場面で眼鏡が不要になるとは限りません。
4つ目は、色や明るさの見え方が変わったという場面です。日本眼科学会によると、手術後は青みがかって見えることがありますが、多くの場合は慣れて気にならなくなります。
5つ目は、しばらくしてから再びかすんで見えるようになったという場面です。これは後発白内障と呼ばれるもので、白内障の再発ではありません。
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの違い

上の図は見えやすい距離のおおまかなイメージです。見え方には個人差があり、多焦点眼内レンズでもすべての距離がはっきり見えるとは限りません。
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを入れます。この眼内レンズの選び方が、術後の見え方を大きく左右します。2つのレンズの主な違いを、次の表にまとめました。
| 項目 | 単焦点眼内レンズ | 多焦点眼内レンズ |
|---|---|---|
| ピントの合う範囲 | 遠く、中間、手元のうち1か所 | 遠くから手元まで広い範囲 |
| 眼鏡 | ピントを合わせた距離以外では必要 | 必要になる場面が減る |
| 見え方の質 | ピントが合った距離ははっきり見えやすい | コントラスト感度が劣り、ハローやグレアが出ることがある |
| 費用 | 保険診療 | 選定療養(レンズ代などは自己負担) |
| 使用状況 | 現在もっとも多く使われている | 目の状態によっては適さない場合がある |
単焦点眼内レンズの特徴
単焦点眼内レンズは、現在もっとも多く使われているレンズで、健康保険が適用されます。ピントの合う距離は1か所で、遠く、中間、手元のどこに合わせるかを手術前に決めます。ピントが合った距離ははっきり見えやすい一方で、それ以外の距離を見るときには眼鏡を使うことになるでしょう。
多焦点眼内レンズの特徴
多焦点眼内レンズは、より広い範囲にピントが合うように設計されたレンズです。日本眼科学会によると、遠くの視力を保ちながら、中間から手元を眼鏡なしで見られることが最大の利点とされています。一方で、コントラスト感度が単焦点レンズより劣ることや、ハローやグレアと呼ばれる光の輪やにじみが出ることがあり、見え方の質は一般に単焦点レンズより低いとされ、慣れるまでに時間がかかる場合もあるでしょう。
乱視を同時に矯正するレンズ
単焦点レンズ、多焦点レンズのいずれにも、乱視を同時に矯正できるトーリック眼内レンズがあります。乱視が強い方は、術前の検査結果をもとに使用を検討します。
レンズ選びで後悔しないための考え方
レンズ選びでは、どのレンズが優れているかではなく、どのレンズが自分の生活に合っているかという視点が大切です。日本眼科学会も、最新のレンズや高額なレンズが優れているわけではなく、担当医と相談して選ぶことが重要だとしています。
手術前には、日常生活で見る距離をできるだけ具体的に伝えるようにしましょう。車の運転をするか、夜間に運転する機会が多いか、読書や手芸など手元の作業が多いか、パソコンやスマートフォンを使う時間が長いかによって、合うレンズやピントの位置は変わります。
また、目の状態によっては多焦点レンズが適さない場合もあります。緑内障や網膜の病気など、ほかの目の病気がある場合は多焦点レンズが適さないことがあるため、検査結果をもとに医師の説明を受けておくことが大切です。
両目の手術を受ける場合は、左右のピントの位置をどう組み合わせるかも検討します。片目ずつ手術を受け、1回目の見え方を確認してから2回目のレンズを決める方法もあるので、担当医と相談してみてください。
手術前に確認しておきたい5つのこと

術後の後悔を防ぐためには、手術を受ける前に次の5つを確認し、担当医と共有しておくことが役立ちます。
1つ目は、術後に見やすくしたい距離です。運転や外出で遠くを見る時間が長いのか、読書やスマートフォンなど手元を見る時間が長いのかによって、ピントを合わせる位置の考え方が変わります。
2つ目は、眼鏡をどの程度使ってもよいかです。眼鏡をかけることに抵抗がなければ単焦点レンズでも満足しやすく、眼鏡の使用をできるだけ減らしたい場合は多焦点レンズが候補になります。
3つ目は、夜間の運転など、光の見え方が気になる場面があるかです。多焦点レンズで起こりやすいハローやグレアは、夜間に光を見る機会が多い方ほど気になりやすいため、事前に伝えておくとレンズ選びの参考になります。
4つ目は、ほかの目の病気や治療歴の有無です。緑内障や網膜の病気、過去の目の手術歴などは、レンズの選び方や手術の方法に関わります。
5つ目は、費用と通院の予定です。保険診療と選定療養のどちらになるのか、選定療養費にどこまでの項目が含まれるのか、術後に何回通院する必要があるのかを確認しておくと、手術後の予定を立てやすくなるでしょう。
白内障手術の費用の仕組み

白内障手術の費用は、選ぶ眼内レンズによって仕組みが異なります。
| レンズ | 診療の区分 | 保険が適用される部分 | 自己負担となる部分 |
|---|---|---|---|
| 単焦点眼内レンズ | 保険診療 | 手術費用全体(自己負担割合に応じて負担) | なし |
| 多焦点眼内レンズ | 選定療養 | 手術の技術料など保険診療と共通する部分 | 多焦点レンズの費用、追加の検査費用など |
単焦点眼内レンズを使う手術は、健康保険が適用される保険診療です。費用は、加入している医療保険の自己負担割合に応じて決まります。
多焦点眼内レンズを使う手術は、2020年4月から選定療養の対象となっています。選定療養とは、患者さんが自ら選んで受ける追加的な医療サービスについて、基礎的な部分は保険給付の対象とし、追加部分の費用を全額自己負担とする仕組みです。多焦点レンズの場合は、手術の技術料など保険診療と共通する部分は保険が適用され、多焦点レンズの費用や追加の検査費用などを自己負担することになるでしょう。
自己負担となる選定療養費は、医療機関ごとに設定されています。金額や含まれる項目は医療機関によって異なるため、次の点を確認しておきましょう。
| 確認する項目 | 内容 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 選定療養費の金額 | レンズの種類(多焦点、乱視用など)によって異なる | 片目あたりの金額と、両目の場合の金額 |
| 選定療養費に含まれる項目 | 追加の検査費用などが別になる場合がある | 保険診療部分の自己負担を合わせた支払い総額の目安 |
選定療養費だけでなく、保険が適用される部分の自己負担も合わせた総額を、手術前に確認しておくと安心です。
手術の時期で後悔しないために
白内障手術を受ける時期は、白内障の程度や生活への影響をふまえて、眼科医と相談して決めます。白内障は少しずつ進むことが多く、見えにくさに慣れてしまい、手術のタイミングを判断しにくいこともあるでしょう。
判断の目安になるのは、日常生活でどのくらい困っているかです。運転中に信号や標識が見えにくい、まぶしさで外出がつらい、読書や家事に支障が出ているといった状態があれば、一度眼科で相談してみることをおすすめします。仕事や介護、旅行などの予定がある方は、術後の通院や生活の制限も考慮して時期を決めると安心でしょう。
手術後の経過と合併症について知っておきたいこと
手術後の過ごし方
日本眼科学会によると、手術後は一定期間、処方された目薬を続ける必要があります。医師の許可が出るまでは洗顔や洗髪を控え、汚れた手で目をこすらないように注意しましょう。日常生活の多くは、手術後すぐに再開できます。
後発白内障について
手術後、しばらくしてから再びかすんで見えるようになることがあります。これは、眼内レンズを入れている袋が濁る後発白内障によるもので、白内障そのものが再発したわけではありません。後発白内障は、レーザーで濁った膜に小さな穴を開ける治療で対処するのが一般的です。
主な合併症とリスク
白内障手術はほかの手術と同じく、合併症が起こる可能性があります。感染症や眼圧の上昇などのほか、ほかの目の病気によって十分な視力が得られないこともあります。合併症が重い視力障害につながることもあるため、手術後に強い痛みや急な見えにくさ、充血などがあれば、すぐに手術を受けた医療機関に連絡してください。
白内障手術に関するよくある質問
多焦点眼内レンズにすれば眼鏡は必要なくなりますか
多焦点眼内レンズは、単焦点レンズに比べて眼鏡が必要になる場面が少なくなります。ただし、細かい文字を長時間読むときや、暗い場所で見るときなど、場面によっては眼鏡があったほうが見やすいこともあります。
白内障は手術後に再発しますか
白内障そのものは再発しません。手術後に再び見えにくくなった場合は、後発白内障やほかの目の病気が考えられるため、眼科で診察を受けてください。
手術後に眼鏡を作るのはいつがよいですか
手術後しばらくは見え方が変化することがあるため、眼鏡は見え方が安定してから作るのが一般的です。作る時期は担当医の指示に従ってください。
手術後の見え方が合わない場合はどうすればよいですか
見え方に違和感がある場合は、まず担当医に相談してください。慣れることで気にならなくなる場合もあれば、眼鏡やコンタクトレンズで調整する方法もあります。
多焦点眼内レンズは誰でも選べますか
目の状態によっては、多焦点眼内レンズが適さない場合があります。また、多焦点眼内レンズを使う選定療養は、届け出を行った医療機関で受けられる仕組みです。希望する場合は、事前に医療機関に確認しておきましょう。
みずなぎ眼科クリニックの白内障手術
みずなぎ眼科クリニックでは、手術前の検査結果とお一人おひとりの生活スタイルをうかがったうえで、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズのそれぞれの利点と注意点をご説明し、一緒にレンズを選んでいます。
単焦点眼内レンズを使う手術は保険診療で、多焦点眼内レンズを使う手術は選定療養として行っています。選定療養費は片目あたり税込24万2000円から(レンズの種類により異なります)を標準的な目安とし、手術は日帰りで行います。術後は翌日、1週間後、1か月後を目安に通院してください。主なリスクとして、感染症、眼圧の上昇、後発白内障、術後の見え方への違和感などがあり、多焦点眼内レンズではハローやグレア、コントラスト感度の低下が起こる場合もあるでしょう。
「自分にはどのレンズが合っているのか」「手術を受けるのはまだ早いのか」といったご相談も承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。