マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?費用・期間・向き不向きを比較
マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?費用・期間・向き不向きを比較

この記事はLLMO primeのサンプル記事です。クリニック名、監修者、料金などはすべて架空のもので、実在の医療機関とは関係ありません。
歯並びを整えたいと考えたとき、多くの方が迷うのが「マウスピース矯正にするか、ワイヤー矯正にするか」という選択ではないでしょうか。どちらも歯に力をかけて少しずつ動かす治療ですが、装置の仕組みや得意な症例、日常生活での扱いやすさは大きく異なります。
結論からお伝えすると、マウスピース矯正は目立ちにくく取り外せる一方で、歯の移動量が少ない症例に向いており、毎日長時間の装着という自己管理が欠かせません。ワイヤー矯正は装置が見えやすいものの、幅広い歯並びに対応でき、歯を細かく動かしやすい治療法です。どちらが合うかは、歯並びの状態と生活スタイルの両方から判断することになります。
この記事では、2つの矯正方法の違いを見た目、対応できる症例、装着時間、痛み、費用、通院などの観点から比べ、それぞれが向いている人や選ぶ前に知っておきたい注意点を、はるかぜ歯科・矯正歯科クリニックで矯正治療を担当する副院長が解説します。
この記事でわかること
- マウスピース矯正は目立ちにくく取り外せるが、歯の移動量が少ない症例に向く
- ワイヤー矯正は見た目が気になりやすいが、幅広い歯並びに対応できる
- マウスピース矯正は毎日長時間の装着が必要で、効果は使い方に左右される
- 費用はどちらも原則自由診療で、検査や調整、保定装置を含めた総額で比べる
- どちらの方法でも、精密検査と診断にもとづいて治療法を選ぶことが前提になる
この記事の監修者
はるかぜ歯科・矯正歯科クリニック 副院長
高森 千尋(たかもり ちひろ)
- 日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門医
歯学部を卒業後、大学病院の矯正歯科で研修を受け、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の診療に従事しました。2019年よりはるかぜ歯科・矯正歯科クリニックで矯正治療を担当しています。
目次
マウスピース矯正とワイヤー矯正の基本的な違い

まずは、それぞれの装置がどのような仕組みで歯を動かすのかを整理しておきましょう。
ワイヤー矯正の仕組み
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を接着し、そこに通したワイヤーの力で歯を動かす方法です。一般にマルチブラケット装置と呼ばれ、長く用いられてきた標準的な矯正方法といえるでしょう。装置は治療が終わるまで固定されたままで、歯科医院でワイヤーを交換したり調整したりしながら、歯を目標の位置へ導いていく仕組みです。歯の表側に装置を付ける方法のほか、歯の裏側に付けて外から見えにくくする方法もあるでしょう。
マウスピース矯正の仕組み
マウスピース矯正は、透明な樹脂でできたマウスピース型の装置を歯にはめて、少しずつ歯を動かす方法です。アライナーとも呼ばれ、歯の動きに合わせて形の異なるマウスピースを順番に交換していきます。装置はご自身で取り外せるため、食事や歯みがきのときには外せる点が大きな特徴でしょう。
日本矯正歯科学会は、マウスピース型矯正装置は毎日長時間の装着を必要とし、使用状況によって効果が大きく異なるとしています。装着時間の目安は装置によって異なるため、歯科医師の指示に従います。
6つの観点で比べるマウスピース矯正とワイヤー矯正
ここからは、治療を選ぶときに気になりやすい6つの観点で、2つの方法を比べていきます。まずは違いを一覧で確認しておきましょう。
| 観点 | ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 |
|---|---|---|
| 見た目 | 装置が見えやすい(白い装置や裏側矯正で目立ちにくくできる) | 透明で目立ちにくい |
| 対応できる症例 | 幅広い歯並びに対応 | 歯の移動量が少ない症例向き |
| 装着時間と自己管理 | 固定式のため管理は不要 | 毎日長時間の装着が必要(時間は歯科医師の指示に従う) |
| 痛みや違和感 | 調整後の痛み、装置が粘膜に当たることがある | 交換直後に圧迫感が出ることがある |
| 歯みがきと食事 | 装置の周りの清掃が必要、硬い物は控える | 食事と歯みがきのときは外せる |
| 通院 | ワイヤー調整のため定期的に通院 | 通院間隔を空けられる場合もある |
見た目の目立ちにくさ
見た目の面では、透明なマウスピース矯正のほうが目立ちにくいでしょう。人と話す機会の多い方や、写真に写る場面が気になる方にとっては大きな利点です。ワイヤー矯正でも、白や透明のブラケット、白いワイヤーを使うことで目立ちにくくする工夫ができ、裏側に装置を付ければ外からはほとんど見えません。
対応できる歯並びの範囲
対応できる症例の幅は、ワイヤー矯正のほうが広いのが一般的です。日本矯正歯科学会は、マウスピース型矯正装置の適応を、軽度の乱ぐい歯やすき間、矯正治療後の軽度の後戻りなど、歯の移動量が少ない症例としています。また、精密な歯の移動は原則として難しく、小児や骨格的な要因を含む症例には適さないとの見解も示されており、抜歯が必要なケースや歯を大きく動かす必要があるケースでは、ワイヤー矯正が選ばれることが多いでしょう。
装着時間と自己管理
マウスピース矯正は取り外せる反面、装着時間が短いと計画どおりに歯が動きません。食事のたびに外し、歯みがき後に付け直すといった管理を、治療期間を通じてご自身で続ける必要があります。ワイヤー矯正は装置が固定されているため、装着時間を意識する必要はなく、自己管理の負担は比較的少ないといえます。
痛みや違和感
どちらの方法でも、歯が動き始める時期や装置を交換した直後には、締め付けられるような痛みや違和感が出ることがあります。ワイヤー矯正では、装置が頬や唇の内側に当たって口内炎ができる場合もあるでしょう。マウスピース矯正は装置の表面がなめらかなため、粘膜への当たりは比較的少ないとされますが、新しいマウスピースに替えた直後に圧迫感を覚えることがあります。
歯みがきと食事
マウスピース矯正は食事のときに装置を外せるため、食べ物の制限はほとんどありません。ただし、装置を付けたまま糖分を含む飲み物を飲むと、むし歯の原因になるので注意しましょう。ワイヤー矯正は装置の周りに汚れがたまりやすく、歯ブラシに加えてタフトブラシなどを使った丁寧な歯みがきが求められます。硬い食べ物や粘着性の強い食べ物は、装置が外れる原因になるため控える必要があります。
通院の頻度と治療期間
ワイヤー矯正では、ワイヤーの調整のために定期的な通院が必要です。マウスピース矯正では、複数枚のマウスピースをまとめて受け取り、ご自身で交換していくため、通院の間隔をやや長くできる場合もあります。治療期間は歯並びの状態によって大きく異なり、どちらの方法が短いとは一概にいえません。歯を動かす期間のあとには、後戻りを防ぐための保定期間も必要です。
費用の違いと比べ方

マウスピース矯正もワイヤー矯正も、一部の例外を除いて健康保険が使えない自由診療です。費用は医院や歯並びの状態によって異なるため、装置の種類だけで高い安いを判断するのは難しいでしょう。
費用を比べるときに大切なのは、総額に何が含まれているかを確認することです。矯正治療では、装置そのものの費用のほかに、次のような費用がかかります。
| 費用の項目 | 内容 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 精密検査・診断料 | レントゲンや型取りなどの検査と治療計画 | 総額に含まれるか別料金か |
| 装置料 | ワイヤーやマウスピースなどの矯正装置 | 装置の種類による違い |
| 調整料 | 通院のたびに行う調整や経過観察 | 1回ごとにかかるか総額に含まれるか |
| 保定装置料 | 治療後の後戻りを防ぐ装置 | 総額に含まれるか、再作製の費用 |
| マウスピースの追加作製 | 計画どおりに歯が動かない場合の作り直し | 追加費用がかかるかどうか |
料金の示し方には、主に次の2つの方式があります。
| 料金の方式 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 総額を最初に決める方式 | 治療開始時に総額が決まり、見通しを立てやすい | どこまでの費用が総額に含まれるかを確認する |
| 処置ごとに支払う方式 | 通院のたびに調整料などを支払う | 治療期間が延びると総額が増える可能性がある |
見積もりを受け取ったら、どの方式なのか、追加費用がかかるのはどのような場合かを確認しておきましょう。
医療費控除の対象になる場合
国税庁によると、歯列矯正の費用は、矯正を受ける人の年齢や目的からみて必要と認められる場合に医療費控除の対象になります。たとえば、発育段階にある子どもの成長を妨げないために行う不正咬合の矯正などがこれにあたります。一方で、見た目を美しくすることを目的とした矯正の費用は対象になりません。ご自身のケースが対象になるかどうかは、税務署などに確認するとよいでしょう。
マウスピース矯正とワイヤー矯正、それぞれが向いている人

ここまでの違いをふまえると、それぞれの方法が向いている人は次のように整理できます。
マウスピース矯正が向いているのは、歯の移動量が少ない軽度の歯並びの乱れで、装置を目立たせたくない方です。決められた装着時間を守り、マウスピースの交換や清掃を自分で管理できることも条件になります。金属アレルギーが心配な方にとっても選択肢の一つになるでしょう。
ワイヤー矯正が向いているのは、歯並びの乱れが大きい方や、抜歯を伴う治療が必要な方、かみ合わせを含めて細かく整えたい方です。装着時間の管理に自信がない方にとっても、装置が固定されているワイヤー矯正は確実性の面で安心感があります。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。見た目の歯並びが軽度でも、精密検査をするとあごの骨格に原因が見つかり、マウスピース矯正が適さないことがあります。ご自身の希望と歯並びの状態をあわせて、歯科医師と相談しながら決めていきましょう。
マウスピース矯正を選ぶ前に知っておきたい注意点
マウスピース矯正は手軽な治療という印象を持たれがちですが、選ぶ前に押さえておきたい点があります。
1つ目は、精密検査と診断を受けたうえで治療を始めることです。日本矯正歯科学会は、適切な診察、検査、分析、診断、治療経過の確認が行われていないマウスピース矯正を問題視しています。歯の型取りや写真だけで治療計画を立てるのではなく、レントゲン写真などによる検査で、歯の根やあごの骨の状態まで確認することが欠かせません。
2つ目は、装置の位置づけを確認することです。同学会は、医療機器として認められた機器を用いて作製された装置であるかを確認するよう呼びかけています。海外で製作されるマウスピース型矯正装置の中には、医薬品医療機器等法上の医療機器に該当しないものもあるため、治療を受ける前に歯科医師から説明を受けておきましょう。
3つ目は、治療の途中で方法を変える可能性があることです。歯が計画どおりに動かない場合には、マウスピースを作り直したり、一部にワイヤー矯正を併用したりすることがあります。そうした場合の対応と費用についても、事前に確認しておくとよいでしょう。
矯正治療に共通するリスクと治療後の保定
矯正治療には、方法にかかわらず共通するリスクがあります。治療中は歯が動くことによる痛みや違和感が出ることがあり、装置の周りに汚れがたまるとむし歯や歯周病になりやすくなります。また、歯を動かすことで歯の根が短くなる歯根吸収や、歯ぐきが下がる歯肉退縮が起こる場合もあるでしょう。
歯を動かし終えたあとも、治療は終わりではありません。動かした歯は元の位置に戻ろうとする性質があるため、保定装置と呼ばれる装置を使って歯並びを安定させる期間が必要です。保定装置の使用を怠ると、せっかく整えた歯並びが後戻りすることがあります。治療を始める前に、保定期間の長さや保定装置の費用も確認しておきましょう。
矯正治療が健康保険の対象になるケース
矯正治療は原則として自由診療ですが、例外的に健康保険が適用されるケースもあるでしょう。日本矯正歯科学会によると、対象となるのは次の3つです。
| 保険の対象 | 内容 |
|---|---|
| 厚生労働大臣が定める疾患 | 唇顎口蓋裂などの疾患に起因するかみ合わせの異常 |
| 永久歯の萌出不全 | 前歯と小臼歯の永久歯のうち3本以上が生えてこないことに起因するかみ合わせの異常(埋伏歯を露出させる手術が必要なもの) |
| 顎変形症 | あごの骨を切る手術が必要な場合の、手術前後の矯正治療 |
保険で治療を受けられるのは、国が定める施設基準を満たして届け出た医療機関に限られます。対象となる医療機関の名簿は、地方厚生局のホームページで確認できます。
マウスピース矯正とワイヤー矯正に関するよくある質問
マウスピース矯正は1日どのくらい装着すればよいですか
日本矯正歯科学会は、マウスピース型矯正装置は毎日長時間の装着を必要とし、使用状況によって効果が大きく異なるとしています。具体的な装着時間は装置によって異なるため、歯科医師の指示に従ってください。装着時間が不足すると、歯が計画どおりに動かず、治療期間が延びる原因になります。
治療の途中でマウスピース矯正からワイヤー矯正に変えられますか
歯の動き方によっては、途中でワイヤー矯正に切り替えたり、一部にワイヤー矯正を併用したりすることがあります。切り替えの可能性と、その場合の費用については、治療を始める前に確認しておくとよいでしょう。
大人になってからでも矯正治療はできますか
歯と歯ぐきが健康であれば、大人になってからでも矯正治療は可能です。ただし、歯周病がある場合は、矯正治療の前に歯周病の治療が必要になることがあります。
前歯だけの部分矯正でも違いはありますか
前歯の軽いすき間やがたつきを整える部分矯正は、歯の移動量が少ないため、マウスピース矯正が選択肢になりやすい治療です。ただし、かみ合わせ全体に問題がある場合は、部分矯正では対応できないことがあります。
矯正治療で医療費控除は受けられますか
年齢や目的からみて必要と認められる矯正は、医療費控除の対象になります。見た目を美しくすることが目的の矯正は対象外となるため、迷う場合は税務署などに確認してください。
はるかぜ歯科・矯正歯科クリニックの矯正治療
はるかぜ歯科・矯正歯科クリニックでは、レントゲン写真や口腔内スキャナーを用いた精密検査をもとに、歯並びの状態とご希望に合わせて、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の中から治療法をご提案しています。それぞれの方法の利点と注意点、費用の総額を書面でご説明したうえで、治療法を一緒に決めていきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ワイヤー矯正(全体) | 税込88万円(装置、調整料、保定装置を含む) |
| マウスピース矯正(全体) | 税込99万円(装置、調整料、保定装置を含む) |
| 精密検査・診断料 | 税込3万3000円 |
| 保険の適用 | 公的医療保険が適用されない自由診療 |
| 治療期間 | 歯並びの状態により1年半〜3年程度、その後に保定期間 |
| 主なリスク | 痛みや違和感、むし歯や歯周病、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りなど |
当院で使用するマウスピース型矯正装置は、医薬品医療機器等法にもとづき国内で承認された装置です。
「自分の歯並びはマウスピース矯正で治せるのか」「ワイヤー矯正とどちらが合っているのか」といったご相談も承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。