歯科医院の集患|Googleマップ(MEO)とAI検索(LLMO)で選ばれる進め方と医療広告の注意点

歯科医院の集患

明るい歯科医院の院内。手前の机に歯の模型、歯科用の器具、グラフが表示されたノートパソコン、資料、スマートフォンが置かれ、奥に診療台が見える

歯科医院を探す人は、「歯医者 ◯◯駅」と検索してGoogleマップに並ぶ医院から選んだり、ChatGPTなどのAIに「◯◯駅の近くで土曜も診療している歯科医院は」と聞いたりします。どちらの入口でも、医院の情報が正確に、分かりやすく載っているかどうかで、候補に入るかが変わります。

一方で、歯科医院はほかの業種と違い、医療広告のルールのもとで情報を出す必要があります。このページでは、そのルールを押さえたうえで、Googleマップ(MEO対策)とAI検索(LLMO対策)で選ばれるための進め方をまとめています。

歯科医院が押さえる2つの入口

1つはGoogleマップです。「歯医者 ◯◯駅」「歯科 近く」と検索した人に対して、地図と一緒に数件の医院が表示されます。歯の痛みなどで、今日や明日に受診できる医院を探す人もいます。ここに出るかどうかを左右する取り組みをMEO対策と呼びます。

もう1つはAI検索です。ChatGPTやGoogleのAIによる回答は、条件に合いそうな医院の名前を挙げて説明します。ここで名前が挙がるようにする取り組みをLLMO対策と呼びます。

2つの入口の土台は同じです。医院の情報が、正確に、複数の場所に、同じ内容で置かれていること。そして歯科医院の場合は、その情報を医療広告のルールの範囲で出すことが前提になります。

先に知っておきたい医療広告のルール

歯科医院の広告は、医療法と厚生労働省の「医療広告ガイドライン」で、出してよい内容が決められています。集患の施策を考える前に、とくに関係の深い4つを押さえておきます。

歯科医院がとくに押さえたい医療広告のルール

対象ウェブサイトやSNSでの発信も対象患者を誘引する意図があり、医院が特定できる発信は広告にあたる
禁止体験談は医院のサイトに載せられない治療の内容や効果に関する体験談は広告できない
条件つきビフォーアフターは説明なしでは載せられない治療内容・費用・リスクなどの詳しい説明が必要
慎む料金やキャンペーンを強調しない費用の強調や、医療と関係のない特典での誘引は避ける

※ 厚生労働省「医療広告ガイドライン」令和6年9月13日最終改正版/「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第5版)」をもとに整理

1. ウェブサイトやSNSでの発信も対象になる

2018年6月1日に施行された改正医療法で、規制の対象が「広告」から「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」に広がり、ウェブサイト等による情報提供も対象になりました。

ガイドラインでは、次の2つをどちらも満たすものが医療広告にあたるとされています。

  • 誘引性:患者の受診等を誘引する意図があること
  • 特定性:医院の名称などが特定できること

ガイドラインにGoogleビジネスプロフィールという名前は出てきません。ただ、厚生労働省の事例解説書では医療機関の公式SNSへの投稿も違反事例として扱われています。Googleマップに載せる投稿や写真も、医院が自ら発信する情報として、同じ考え方で運用しておくのが安全です。

2. 体験談は、医院のサイトに載せられない

患者の主観や伝聞にもとづく、治療の内容や効果に関する体験談の広告は禁止されています。医院が自らのウェブサイト等に載せる体験談は、広告にあたるとされています。

事例解説書では、口コミサイトに書かれたクチコミを医院のサイトに転載することや、医院に有利なクチコミだけを選んで載せることも、広告できない例として挙げられています。Googleマップに良いクチコミがついても、治療の内容や効果に触れたクチコミを、自院のサイトに「患者様の声」として並べることはできません。

3. ビフォーアフター写真は、説明なしでは載せられない

治療の前後の写真は、患者を誤認させるおそれがあるものは広告できません。治療内容や費用、主なリスクや副作用などの詳しい説明をつけた場合はこれにあたらないとされていますが、その説明をリンク先のページに置いたり、極端に小さな文字にしたりすることは認められていません。

事例解説書では、医療機関の公式SNSにビフォーアフター写真だけを説明なしで投稿している例が、違反事例として示されています。Googleマップの写真や投稿にも、ビフォーアフター写真は載せないようにしておくのが確実です。

4. 料金やキャンペーンを強調しない

ガイドラインでは、「今なら○円でキャンペーン実施中!」「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」のように費用を強調した広告や、「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」のように医療の内容と関係のないことで誘う広告は、厳に慎むべきとされています。Googleマップの投稿機能でも、割引やプレゼントを前面に出した投稿は避けます。

ほかにも、「日本一」のようにほかの医院より優れていると示す比較優良広告や、誇大な広告は禁止されています。個別の表現がルールにあたるかどうかは、医療安全支援センターや保健所の医療法担当部署などの相談窓口で確認できます。

出典:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」令和6年9月13日最終改正版厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第5版)」令和7年3月(いずれも2026年9月16日確認)

Googleマップで選ばれる進め方(MEO対策)

医療広告のルールを踏まえたうえで、この順番で進めると整理しやすくなります。

1. 診療時間・休診日を、いつも正確にしておく

医院名・住所・電話番号・診療時間・休診日を、自院のサイトの表記と1文字単位でそろえます。昼休みの時間帯や土曜の診療時間もあわせて確認します。今日受診できる医院を探している人にとって、ここが実際と違っていると、候補から外れるだけでなく、来院したのに閉まっていたという不満にもつながります。

とくに注意したいのが祝日です。Googleビジネスプロフィールの営業時間は曜日ごとに設定する仕組みのため、祝日だからといって自動で休診と表示されるわけではありません。祝日に休診する場合は、「特別営業時間」でその日を休業に設定します。Googleも、公的な祝休日については、通常の営業時間と変わらなくても祝休日の営業時間を設定することをすすめています。

年末年始や夏季休暇のように続けて休む場合、特別営業時間で設定できるのは連続して最長6日間までです。7日間以上続けて休む場合や、再開の日が決まっていない場合は、臨時休業の設定を使います。

続けて休診するときの設定

6日まで特別営業時間で休業に祝日や短い連休。祝日は自動では休診にならない
7日以上臨時休業を使う長い休業や、再開の日が決まっていない場合

※ Google ビジネス プロフィール ヘルプ「特別営業時間を設定する方法」

出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「特別営業時間を設定する方法」(2026年9月17日確認)

2. 写真は、院内・設備・スタッフを中心にする

初めての歯科医院を選ぶ人は、院内の雰囲気や清潔さを写真で確かめようとします。外観・入口・受付・待合室・診療室・設備・スタッフの写真を用意し、投稿機能で更新を続けます。前の章のとおり、治療の前後の写真は載せません。

院内を360度見渡せるGoogleストリートビューの導入も、初めて来院する人の不安を減らす方法の1つです。

3. クチコミは、謝礼なしで同じ流れで依頼する

クチコミは、依頼するタイミングを決めて、来院した方全員に同じ案内をします。満足していそうな人だけに声をかける、割引や物品と引き換えに依頼する、スタッフに件数のノルマを課す、その場で書くよう求める、といった行為はGoogleのクチコミポリシーで禁止されています。

医療広告ガイドラインでは、第三者が運営する口コミサイト等への体験談の掲載は、医療機関が広告料などの費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどの誘引性が認められない場合は、広告に該当しないとされています。裏を返せば、謝礼などをつけて依頼すると、広告として扱われるおそれがあります。謝礼をつけずに依頼することは、Googleのルールと医療広告のルールの両方から必要です。

4. 受付や電話の対応も、クチコミに書かれる前提で整える

2026年8月、Googleマップに、AIに相談しながら場所を探せる「マップに相談」が日本でも提供され始めました。Googleは、この機能が5億人以上の投稿者コミュニティからのクチコミと3億以上の場所に関する情報を分析すると説明しています。「クチコミの評判が良い歯医者」のように評判を条件にして医院を探す人にとって、クチコミの本文はそのまま判断の材料になります。

「マップに相談」の使い方や、店舗側で整えておきたいことは、Googleマップ「マップに相談(Ask Maps)」とは?使い方と店舗がやるべきMEO対策で詳しく解説しています。

歯科医院のクチコミには、治療そのものだけでなく、受付や電話での対応が書かれることが少なくありません。弊社がこれまで支援してきた歯科医院でも、受付の対応に関するクチコミに悩まれているケースを数多く見てきました。

予約の取り方、待ち時間の伝え方、初診の案内、電話での受け答え。受付での体験を整えることは広告ではないので、医療広告のルールとは関係なく取り組めます。また、クチコミへの返信も医院が発信する情報です。返信の中で治療の効果をうたわないようにしておくと安全です。

出典:Google Japan Blog「Google マップの新機能「マップに相談」を日本で提供開始」(2026年8月7日)(2026年9月17日確認)

5. 獲りたい検索語を決めて、見え方を定点で記録する

「歯医者 ◯◯駅」「小児歯科 ◯◯市」など、来院につながる検索語を数語に絞り、月単位で表示順と問い合わせ・予約の数を記録します。記録がないと、何が効いて何が効かなかったのかを後から判断できません。

各ステップの具体的なやり方は、歯科医院・クリニックがMEO対策を導入すべき、Googleビジネスプロフィールの編集をやるべき理由で詳しく解説しています。

AI検索で選ばれる進め方(LLMO対策)

AIは、どこかに書かれている情報を読んで回答をつくります。つまり「AIに覚えてもらう」のではなく、AIが読める場所に、正確な事実が置かれている状態をつくるのがLLMO対策です。歯科医院では、その事実を医療広告のルールの範囲で書くことが前提になります。

1. 診療内容や設備を、画像ではなく文字で書く

診療科目、診療時間、予約の方法、駐車場の有無、バリアフリー対応、対応できる言語などを、画像ではなく文字で自院のサイトに書きます。診療案内を画像1枚にまとめている場合、そこに書かれた内容は読み取られにくくなります。「土曜も診療」「駅から徒歩3分」のように具体的に書いてある方が、条件をつけて聞かれたときの回答に使われやすくなります。

2. 書くテーマは、症状や費用の細かい条件から選ぶ

弊社が8業種・延べ140社を実測した調査では、症状に関するキーワードでは単院の歯科医院も上位に入っていた一方で、矯正やインプラントのような治療名そのもののキーワードは、ブランドを持つ事業者が占めていました。最初に書くなら、「銀歯取れた」のような症状や、保険と費用の細かい条件など、現場のほうが具体的に答えられるテーマからです。

なお、自由診療について載せる場合は、保険が適用されないことと標準的な費用をあわせて示すなど、医療広告ガイドラインで決められた条件があります。さらに、通常は広告できない詳しい内容までサイトに載せる場合は、治療等の内容や費用に加えて、主なリスクや副作用についての情報もあわせて提供する必要があります。

3. 受診前に知りたいことを、質問と回答の形で置く

「予約なしでも診てもらえるか」「子どもと一緒に受診できるか」「初診の持ち物は何か」。受診の前に迷うことを、質問と回答の形で自院のサイトに書いておきます。質問ごとに答えが整理されているページは、AIが回答をつくるときの材料として使いやすい形です。

ただし、回答の中で治療の効果を約束したり、患者の体験談を載せたりすることはできません。受診の手続きや院内の環境など、事実として答えられることを中心にします。

4. 自院のサイト以外にも、医院名が正確に載っている状態をつくる

AIは自院のサイトだけを見ているわけではありません。医療機関の検索サイト、地域の情報サイト、自治体や歯科医師会の名簿、クチコミ。複数の場所に同じ医院名・住所・電話番号で載っていることが、判断の材料になります。

弊社が8業種・延べ140社を実測した業種別の調査では、歯科クリニックに関するAIの回答で、引用元に占める医院自身のサイトの割合は12%でした。残りの88%は医院以外のサイトです。医院のサイトを整えるだけでなく、医院の外でどのように載っているか(サイテーション)が、AIの回答に大きく影響する業種だといえます。

※歯科の調査は、GoogleのAI Overviewsでの被引用数を主な指標としています。被引用データは2026年6月1日基準です。

より詳しい考え方は、歯科医院のLLMO対策とは?AIに推薦されるクリニックになる戦略を解説にまとめています。

歯科医院・医療機関の導入事例

歯科医院や医療機関で、MEO対策やGoogleストリートビューを導入した事例です。歯科医院の事例をすべて見る医療施設の事例をすべて見る

AI検索の対策では、LLMO primeのページで、山形県の歯科クリニックでChatGPT経由の訪問から実際の来院につながったことを確認した事例を紹介しています。

歯科医院が読んでおきたい記事

よくある質問

Googleマップについたクチコミを、医院のホームページに載せてもよいですか?

治療の内容や効果に触れたクチコミは載せられません。治療の内容や効果に関する体験談を医院が自らのウェブサイト等に載せることは、医療広告として禁止されています。厚生労働省の事例解説書でも、口コミサイトのクチコミを医院のサイトに転載する例や、医院に有利なクチコミだけを選んで載せる例が、広告できない例として挙げられています。

Googleマップにビフォーアフター写真を載せてもよいですか?

載せないことをおすすめします。医療広告ガイドラインにGoogleビジネスプロフィールという名前は出てきませんが、治療の前後の写真は、治療内容や費用、主なリスクや副作用などの詳しい説明がないものは広告できないとされています。厚生労働省の事例解説書では、医療機関の公式SNSに説明なしのビフォーアフター写真を投稿している例が違反事例として示されています。

院長1人の小さな歯科医院でも、MEO対策の効果はありますか?

あります。Googleは、ローカル検索の結果が主に「関連性・距離・知名度」の3つで決まると公式ヘルプで説明しています。医院の規模や医師の人数は、この3つに含まれていません。診療時間・写真・クチコミ・診療内容の記載を整えることから始められます。

MEO対策とLLMO対策は、どちらから始めるべきですか?

どちらも大切です。弊社が提唱する購買行動モデル「AIMA5」では、AIの回答で医院を知り、Webで詳しく調べ、Googleマップで最終的に確信を得てから、予約や来院に進む流れで整理しています。取り組むハードルが高いと感じる場合は、来院の直前に見られるGoogleマップ(MEO対策)から始めるのがおすすめです。なお、弊社のLLMO primeでは、MEO対策とLLMO対策を一体で支援しています。

歯科医院の集患について相談する

「何から手をつければよいか」「医療広告のルールに気をつけながらGoogleマップを整えたい」といった段階からご相談いただけます。

ほかの業種の進め方と事例は、業種別の集客|MEO対策・LLMO対策の進め方と導入事例にまとめています。