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Googleマップ「マップに相談(Ask Maps)」とは?使い方と店舗がやるべきMEO対策【2026年8月・日本上陸】

Googleマップの検索が、大きく変わろうとしています。

2026年8月、GoogleはマップのAI検索機能「Ask Maps」を日本を含む150以上の国と地域へ拡大しました。日本語では「マップに相談」という名前で、すでに順次使えるようになっています。

この記事では、「マップに相談」で何ができるのか、AIは店舗の何を見ておすすめを決めているのか、そして店舗側が今からやるべきMEO対策までを、公開情報と海外の検証記事をもとに整理します。

この記事の要点
2026年8月7日、GoogleマップのAI検索機能「マップに相談(Ask Maps)」が日本を含む150以上の国と地域に拡大。翌8日には日本語での提供も始まった
キーワード検索の代わりに「駅から近くて、説明が丁寧と評判の歯医者」のような自然な文章で相談でき、AIが候補を絞って提案してくれる
AIはGoogleビジネスプロフィール(GBP)・クチコミの本文・公式サイト・Web全体の情報を読んで、推奨する店を決めている
店舗側の対策は「順位を上げる」だけでは足りなくなる。AIに正しく理解されるための情報整備が、これからのMEOの主戦場になる

「マップに相談(Ask Maps)」とは

「マップに相談(Ask Maps)」とは、GoogleマップにAIモデルのGeminiが組み込まれた、会話型のローカル検索機能です。従来のキーワード検索と違い、条件を自然な文章で伝えるだけで、AIが条件に合うお店や場所を絞り込んで提案してくれます。

図1:従来のキーワード検索と「マップに相談」の違い

たとえば従来は「渋谷 歯医者」と検索し、表示された候補のクチコミや順位を自分で見比べる必要がありました。「マップに相談」では「駅から近くて、仕事帰りに行けて、説明が丁寧とクチコミで評判の歯医者」とそのまま相談できます。「調べて絞る」という作業を、ユーザーに代わってAIがやってくれるのが最大の変化です。

回答の材料になるのは、Googleマップが持つ3億件以上の場所情報と、5億人を超える投稿者によるクチコミ、そして交通状況や混雑などのリアルタイム情報です。回答には候補店舗のリスト、AIによる説明、クチコミの要約、出典リンク、地図上のピン表示が含まれます。

日本上陸までの流れ

「マップに相談」は2026年3月12日に米国・インドで先行リリースされ、約5か月で日本に上陸しました。

図2:米国リリース(2026年3月)から日本語提供(8月8日)までの流れ
公式発表では拡大時点の対応言語は英語とされていましたが、国内の検証では英語UIのままでも日本語の質問に日本語で回答できることが確認されています。8月8日からは日本語での提供も始まり、順次展開中です。

なお、全ユーザーへの一斉配布ではなく段階的なロールアウトのため、「もう使える人・まだ使えない人」が混在しています。自分の環境で表示されない場合は、アプリを最新版に更新して展開を待ちましょう。

何ができる?2026年8月アップデートの6機能

8月6日の発表では、提供地域の拡大と同時に6つの機能が追加されました。方向性は明確で、マップの中で「探す→比べる→予約・注文する」まで完結させるという進化です。

図3:2026年8月アップデートで加わった6機能と日本での提供状況

米国では、「帰宅途中に受け取れる辛いシーフード料理」と相談すると、帰宅ルート上で営業中の店を探し、該当メニューを提示して、選んだ商品を注文カートに入れるところまでAIが代行します。決済システムのSquare・Toastとの連携で提供され、今後はUber Eatsにも対応予定です。

ホテル探しでは「来週のカンファレンス向けに、アートな雰囲気で高評価・手頃なホテル」といった相談に、リアルタイムの料金・空室情報を添えて回答します。Gmailと連携するPersonal Intelligence(初期設定はオフ)を有効にすると、航空券や予約の情報をもとに「フライトまでの数時間の過ごし方」まで提案してくれます。

注文支援・ホテルやイベント検索・会話や写真でのローカル情報投稿の3つは、まず米国で提供され、その後ほかの地域へ順次拡大される予定です。日本では現時点で「会話でのお店探し」が中心ですが、この完結型の流れがいずれ日本にも来ることを前提に備えておくべきでしょう。

使い方と質問例 ― 日本語でこう相談できる

使い方はシンプルです。Googleマップのサイドバーメニュー(または検索バー付近)から「Ask Maps/マップに相談」を開き、条件を文章で入力するだけ。過去の会話履歴を引き継ぐ設定にしておけば、「前に相談した旅行プランの続き」から再開することもできます。

ポイントは、キーワードではなく「条件を並べた文章」で相談することです。業種別の質問例を挙げます。

業種 質問例
飲食店 「個室があって接待に使える和食。金曜19時に4人で入れる店」
歯科・クリニック 「痛くない治療が評判で、土曜もやってる駅近の歯医者」
整体・接骨院 「デスクワークの肩こりに強くて、夜21時以降も通える整体」
美容室 「メンズカットが上手くて、当日予約できる美容室」
宿泊 「子連れに優しくて、温泉と夕食が評判の宿」

海外のローカルSEO専門家による検証では、「ヤンキースタジアム周辺で試合前に寄れるバー」という相談に対して、具体的な店名が雰囲気の説明付きで推奨され、混雑を避けたい人向けの代替店まで提示されたと報告されています。連続した質問にも文脈を保って回答し、旅行プランの相談では複数の施設を日程ごとに整理して、それぞれをマップ上のピンと詳細情報にリンクしてくれます。

AIは店の「何を見て」推奨を決めるのか

店舗側にとって最重要の論点がここです。海外の解説・検証記事を総合すると、AIは質問が複雑になるほど、参照する情報の階層を深くしていきます。

図4:AIが参照する情報の4層構造

「近くの歯医者」のような単純な質問なら、GBPの基本データ(第1層)で足ります。しかし「強引な営業をしない工務店」のような信頼に関わる質問ではクチコミの本文(第2層)を広く読み、「子連れで通いやすくて説明が丁寧な小児科」のような相談型の質問では、公式サイトやWeb全体の情報(第3〜4層)まで引用します。

この構造から、店舗側が押さえるべき変化が3つ見えてきます。

1. クチコミは「星の数」から「本文の中身」へ

「静かな雰囲気」「待ち時間が短い」「説明が丁寧」といった具体的な記述が、AIの推奨理由としてそのまま引用されます。クチコミは社会的証明であると同時に、AIにとっての検索材料になりました。

2. 情報の薄い店は、候補から静かに外れる。

GBPの属性や商品欄が空欄のままだと、AIから「よくわからない場所」と扱われます。順位下落と違って通知も変化も見えないため、気づきにくいのが怖いところです。

3. 公式サイトもMEOの一部になる。

AIは公式サイトを第3層の情報源として読みます。GBPと公式サイトで営業時間や料金が食い違っていると、信頼を下げる材料になります。

「古いWeb情報」がAIの誤案内を引き起こす

もうひとつ見逃せないのがこれです。AIは情報が現在も正しいかどうかを判定せず、Webに残っているページをそのまま読みます。

図5:古いWeb情報が引き起こす事故の連鎖

米国では、あるバーが「一度も販売したことのないピザ」をAIに推奨されてしまった事例が報告されています。原因はWeb上に残っていた古い情報でした。旧料金表・終了したキャンペーン・移転前の住所の放置は、これからは実害になります。

計測面の注意も1つ。現時点では「マップに相談」経由の表示はGBPインサイトの通常のマップ表示回数に合算され、別集計されません。また、回答内に広告枠はなく、AIの回答は毎回つくり直されるため固定の「1位」も存在しません。効果は「同じ質問を複数回試して何回推奨されたか(出現率)」で測るのが現実的です。

店舗がやるべきMEO対策5つ

ここまでの内容を、店舗側のアクションに落とし込みます。先に強調しておくと、「マップに相談」専用の裏技は存在しません。順位を決める基本要素(関連性・距離・知名度)は残り、従来のキーワード検索もなくなりません。やるべきことは、これまでのMEOの基本を「AIが読む」前提で徹底することです。

図6:「マップに相談」時代の店舗対策チェックリスト

■ 対策1. GBPの全項目を埋める

カテゴリ・営業時間・住所はもちろん、これまで後回しにされがちだった属性(個室・駐車場・バリアフリーなど)・商品欄・サービス欄・写真まで、空欄なく埋めます。AIにとって空欄は「情報がない=判断できない」であり、候補落ちの原因になります。写真は外観・内観・スタッフ・商品と多角的に、定期的に追加するのが理想です。

対策2. クチコミは「量」より「中身」を集める

「何が良かったか」を具体的に書いてもらえるよう、依頼の仕方を設計し直します。たとえば「待ち時間・接客・雰囲気・設備のどれが良かったかを選んでから書いてもらう」だけでも、AIが引用できる具体語入りのクチコミが増えます。返信もテンプレートをやめ、内容に触れた個別返信にしましょう。返信もまた、AIが読む店舗側の発信情報です。

対策3. GBP・公式サイト・ポータルの情報を一致させる

営業時間・料金・メニュー・住所・サービス内容について、GBP・公式サイト・掲載ポータルの記載ズレを一覧化して解消します。あわせて公式サイトのFAQを「質問文の見出し+短い直接回答」の形に整えると、AIが引用しやすくなります。

対策4. 古いWeb情報を掃除する

図5の事故を防ぐ対策です。終了したキャンペーンページ、旧料金表、移転前の情報が残っていないかを棚卸しし、削除または更新します。自社サイトだけでなく、古いポータル掲載情報も点検対象です。

対策5. 「AIにおすすめされているか」を定点観測する

自店の業種・商圏で想定される相談質問を5〜10本つくり、実際に「マップに相談」へ投げて、自店と競合の推奨状況を記録します。回答は毎回変わるため、単発の結果ではなく「何回中何回出たか(出現率)」で判断し、月次のトレンドで評価します。

図7:対策の進め方 ― 診断→整備→定点観測のサイクル

よくある質問

Q1. 「マップに相談」は日本でいつから使えますか?

2026年8月7日から日本を含む150以上の国と地域で順次提供が始まり、8月8日には日本語での提供も開始されています。段階的な展開のため、表示されない場合はアプリを最新版に更新して展開を待ってください。

Q2. 従来のMEO対策(順位対策)は不要になりますか?

不要にはなりません。従来のキーワード検索・順位表示は残り、順位を決める基本要素も変わりません。その上に「AIに理解され、推奨される」という新しい層が加わるイメージです。むしろ正確なGBP・質の高いクチコミ・整ったWeb情報という基本の重要度が上がります。

Q3. お金を払って「マップに相談」の回答に表示してもらえますか?

現時点で回答内に広告枠はありません。Googleは将来の広告導入の可能性を否定していませんが、いまは情報整備で選ばれる状態をつくることが唯一の対策です。広告が入る前の今こそ、オーガニックな整備の仕込みどきと言えます。

Q4. 自分の店がAIに推奨されているかは、どう確認すればいいですか?

実際に「マップに相談」へ想定質問を投げて確認します。AIの回答は毎回つくり直されるため、1回の結果で判断せず、同じ質問を複数回試した出現率で見るのがポイントです。競合がどんな理由で推奨されているか(クチコミの引用・情報量)もあわせて記録すると、改善の優先順位が見えてきます。

まとめ ― 「検索される店」から「AIに推薦される店」へ

「マップに相談(Ask Maps)」の日本上陸は、マップ集客の前提が変わるアップデートです。最後に要点をまとめます。

  • 2026年8月7日から日本でも提供開始。日本語対応も始まり、順次展開中
  • ユーザーは条件を文章で相談し、AIが候補を絞って提案する。米国では注文まで完結する
  • AIはGBP・クチコミ本文・公式サイト・Web全体を読み、質問が複雑なほど深く参照する
  • 対策の柱は「GBP全項目」「クチコミの中身」「Web情報の整合性」「古い情報の掃除」「出現率の定点観測」の5つ
  • 専用の裏技はない。基本の情報整備を「AIが読む」前提で徹底した店から、推薦されるようになる

機能はまだ進化の途中で、注文支援やホテル検索の日本展開、広告の扱いなど、今後も動きが続きます。焦る必要はありませんが、情報整備は効果が出るまで時間がかかります。利用が広がる前の今が、最も費用対効果の高い仕込みのタイミングです。

長澤 充紀

長澤 充紀

株式会社トリニアス入社後、MEOコンサルタントとして、店舗・企業の集客支援やGoogleビジネスプロフィールの運用改善に従事。 現在は、マーケティング領域における自社サービスの責任者として、AI検索最適化サービス「LLMO Prime」の企画・運営を担当しています。 主な取り組みとして、フィリップ・コトラー氏が提唱した「5Aモデル」をベースに、MEOによるマップ検索とLLMによるAI検索を掛け合わせた、AI時代の新たな購買行動モデル「AIMA5(アイマファイブ)」を発案。LLMO Primeのサービス設計やコンテンツ戦略に活用しています。 MEO・SEO・LLMOを横断した知見を生かし、検索行動が大きく変化するAI時代において、企業や店舗が継続的に「見つけられ、比較され、選ばれる」ためのマーケティング支援に取り組んでいます。

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